小学校勤務2校目の超小規模校では本当にいろいろできました。自転車で校区を毎日走ったり、息子の少年野球に付き合ったり、ICT機器をめっちゃ入手して教室が機械だらけになったりしました。
出張費が余ったからどこか行かない?今では絶対にそんなことを事務職員が言ってくれたりしません。でも東京1泊くらい出そうだったので行くことにしました。それはICT機器が多く展示されている教員教委向けの研修会でした。私も興味はあったのでそこで1日最新の機器を見て過ごしました。プロジェクターや書画カメラ、電子黒板やデジタル教科書が主流です。今ではどれもどこの学校でも取り入れられているのですが、その頃は本当にやろうとする先生が自費で購入するのがやっとという状態でした。私は「夢のプロジェクターキャンペーン」でプロジェクターを入手していたのであとは電子黒板や書画カメラに興味がありました。マグネットスクリーンもヤフオクで買いましたがもっと良くて大きいのが欲しかったです。
そのスクリーンのブースに行きました。スクリーンとしては日本一の会社で私も知っていました。そこに電子黒板の会社が間借りしていて(そんなことも当時はあったのですね)、スクリーンも電子黒板も展示していたのです。そのブースに3時間くらいずっといて、今の学校の現状やどうしてもその電子黒板が欲しいこと、スクリーンも魅力的なことをずっと話していました。電子黒板の会社の方もスクリーンの会社の方もいい方で話をよく聞いてもらえ、その場では電子黒板を半値で購入することができました。さらにスクリーンは1本謹呈を受けました。プロジェクターがもらえているので、これでかなり揃うことになりました。
その次の年です。スクリーンの会社から連絡があり、郡山でeスクールという全国イベントがあるのでぜひ講師として参加して欲しいということでした。その際に電子黒板を使うことと、国語の授業をすることがマル必でした。すでに電子黒板は使っているし、スクリーンはもらっている手前、「ノー」は無く、郡山だったら奈良なのでまあ車で2時間程度で行けるし…と思い、すぐにオッケーしました。ただ、日程が10月中旬で、ちょうど秋祭りで屋台を出さないといけないので忙しいけど、まあ何とかなると高をくくっていました。
思いが違ったのが2つありました。1つは郡山が奈良ではなくて福島だったということです。車でなくて新幹線の乗り継ぎでしかも前泊です。もう1つは会場にデジタル教科書展示があり、その国語のデジタル教科書を郡山の学校で採用していてその学校が児童を連れて模擬授業を研究発表するというのです。その同じ会場でデジタル教科書に対抗するように電子黒板を用いた俳句の模擬授業をして欲しいというのでした。確かに俳句の授業は6年生であります。したこともありますが、それを電子黒板でどうするか、五・七・五をどう音声データで扱うか、俳句とその背景をどう映像で扱うか、そんなことを入れて欲しいということでした。
郡山違いはまあ何とかなるでしょう。音声データは教科書の付録CDにあるのを知っていました。これをWAVで抜いてグラフにすればできるかなと思いました。俳句の背景はイラストをどこかから探してくればいい…なんて簡単に思っていました。
秋祭りは大盛況でした。私も我を忘れ、飲んで騒いで大声で掛け声をかけながら、屋台に乗っていました。2日間騒いで片付けと帳破り(飲み会)を休んで郡山に向かいます。準備ができていないでのホテルのWi-Fiでネットをつなぎ、アプリを落として作るつもりでした。前日に郡山でスクリーンの会社と電子黒板の会社の担当者と「打ち合わせ」と称して12時ごろまで飲み、祭りもあったので本当に声が出ず、ホテルに帰ってからのプレゼン作成。人生一番の一夜漬けならぬ「朝漬け」でした。昼前にようやくプレゼンができて会場入り。担当者は遅いので不安だったそうです。
そして郡山の小学校児童30人が集まり、デジタル教科書先進校の模擬授業が始まりました。確かにスイスイと画面が変わり、デジタル教科書って感じがしました。子どもたちは緊張しているのか発表は少なく声も小さかったですが、まとまっていました。そして次は私の番です。同じ会場で児童はだれもいません。仕方がないので模擬授業を見に来た他校の先生や参加児童のお母さん、そして買い物に来たついでに立ち寄った方に声をかけ、本当にその場で児童役になってもらいました。
そして授業がスタート。20人は児童役ができ、さらにそれを見守るギャラリーもどんどん増えてきました。さしずめ、デジタル教科書VS自作プレゼン授業の様相です。児童役になったお母さんたちはやる気満々で声色を変えながらかわいらしく子供らしく答えてくれ、会場は大盛り上がり。こちらも声も枯れながら、笑いを取り、時にほーっと感心させながら、新出漢字や俳句の授業をプレゼンで行いました。デジタル教科書担当者に感心してもらえるくらいノリノリの授業ができ、とても満足でした。人生一の一夜漬けもそのおかげでテンションが維持され、電子黒板もうまく使えて超上出来の模擬授業となりました。デジタル教科書も1本いただけました。それが今から18年前のことです。「eスクールの流れを変えた」とまで言わしめた模擬授業、その後の私のICT利活用にも大きな影響を与えました。もちろん、「教員をめっちゃ面白く」させてもらいました。


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