㉜超小規模校から異動

教室の日々

 超小規模校も児童数が60人を切り、次年度の閉校が確定しました。すでに8年経っていたのでそろそろ異動を考えます。閉校式や備品移動も大変ですから。
 
 ただ、8年間の私物持ち込みの量が半端無いのです。液晶プロジェクターやマグネットスクリーンもですが、電子黒板・書画カメラ・複合型プリンター・デスクトップパソコン・液晶ディスプレイ、さらに理科室にも電子黒板やマグネットスクリーンも置いていました。プロジェクターカートもめっちゃ大きくてその上、衣装ケース6杯分の「積み木」も持っていました。学級経営関連のグッズ(棚や箱、かごなど)もあり、理科実験グッズ(自作教材や光分科会での試作グッズも)もかなりあります。

 そうなるとなかなか一度では運べません。鍵を持っているのは3月末までなのと4月にならないと新しい異動先に運べないので必然的に家に持ち帰ることになります。家にはそう置けないので、3月31日に持ち帰って4月1日に運び込むというのが一番いい方法です。鍵返却があるので3月30日に荷物を持ち帰って31日に鍵を返し、4月1日に辞令を受けて、2日に荷物を入れるくらいがぎりぎりのところでしょう。車庫後方にめっちゃ衣装ケースが並ぶのを家内は良しとしません(結果的に長いこと置いていたので大変なことになりました)。

 だから3月30日は1日かけて荷物を運びます。他の用事もあったので勤務中にということにはなりませんでした。どうしても夕方から夜にかけて、職員が誰もいないときがベストです。1階の職員室にあるものは少ないのですが、2階の教室や理科準備室、コンピュータ室に多くの私物が入っています。これをミニバンに運び込んでは家に帰って下ろし、また学校に向かいます。これを何往復かしました。

 最後は夜中になりました。すでに次の日になりかけていた頃です。玄関前で深夜、ミニバンのハッチバックを開けて大量の衣装ケースを運び込むさまは誰が見ても不審に思ったことでしょう。ブルブルの汗をかいて荷物を入れているときに、「今頃何をしているんですか?」と怪しんでいそうな声が聞こえました。ふと振り返ると警官でした。「私はここの学校の職員で異動なので荷物を持ち帰り、次の職場に運びます」そう丁寧に答えました。年度末だし、そういった異動風景はそう珍しいことでもないかと思ったのです。

 ところが、通常の学校教員がこんな深夜にこんなに大量の荷物を運び出すことは無いだろうと思ったのでしょう。警官は「それではあなたがここの職員であるという証明を出してください」と言われました。

 免許証、保健証はありますが、そこにはこの小規模校の職員であることは記載されていません。保健証に「公立学校教員」とあるので信じてもらえないかと思いましたが「これではどこの学校の教員か分かりません」と一蹴。困ったと思ったら、財布に名刺があることを思い出しました。もちろん手製の名刺ですが、そこには「〇〇小学校教諭」と記載されています。

 「そうですか、本当にここの学校の先生だったのですね。ご苦労さまです」そう言って帰って行かれました。名刺を持っていて良かったーと思いました。

 そうして午前2時ごろ帰宅し、次の日に鍵を返し、挨拶をして8年間の有意義な超小規模校の勤務を終えました。新しい勤務校はこれも自宅から車で10分程度の学校でほとんどが単学級(5年生だけ2クラス)の小規模校。ここでまた「面白い」教員人生が始まります。

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