㉔ICTに目覚める

情報教育

 前任校の2年間だけ勤めた学校でも情報担当でしたから、特にここで(93人の超小規模校)でICTに目覚めた訳では無いですが、ここで私は一気に進みました。理科教員であったこともあり、中学校教員時代も機械は苦手でなかったです。昭和61年に多分そのエリア内でPC9801(VM2)を持っていて自分でプログラムしたことがある教員は誰もいなかったでしょうし、大学時代は研究室に無印PC9801があったので、普通に使っていました(ゲームでしたが)。卒論がキク科植物の雑種変遷でそれを染色体ベースで行うので、写真を撮り、染色体の長さを測って大小を決めていました。そのデータ数は数万に及ぶので、その9801でランダムアクセスファイルを作り、格納しました。そしてすぐにデータが出せたり、平均値や最大値を出したりしたのでけっこう重宝がられました。でも使うのはやはりゲームです。マリスというインベーダー的なゲームと野球拳で勝つと1枚ずつ脱いでいくものでした。いくらやっても最終まで勝てないのでプログラムをいじって絶対に勝てるように細工したりしました。いつの世もプログラミングやネットのスキルはエロからモチベーションを上げていくものです。

 そんな私も一時期はパソコンを使わず、手書きですべて行うことが多くなり、Windows3.1も95もとても遅かったのです。大学院でマックに出会い、こんな簡単なユーザーインターフェースがあると思ったものでした。その後仕方なくいくつかWindowsも買い、この頃はパワーマックG3とパワーブック、そしてWindowsはXPでノートもデスクも使っていました。知らない人が見たら相当オタクに見えたことでしょう。

 授業でももちろん多用しました。でもその頃はどうしてもプロジェクターが欲しかったのです。当時、紙媒体でもその場で投影できる書画カメラ付きプロジェクターです。書画カメラも無い私からしたら「これだ!」と思いました。資料を取り寄せる中で担当の営業マンと仲良くなりました。でもそのマシンは1台45万円なのです。7掛けでも30万円はします。とてもじゃないけど買えません。でも営業マンは言いました。「夢のプロジェクターキャンペーンがあるので応募しませんか」と。全国で10台だけその45万円のプロジェクターが当たるそうです。まあ宝くじが当たったら…くらいの気持ちで応募しました。1か月後くらいに「残念でした」とタンブラーか何かが残念賞として送られてきました。

 「まあ仕方ない」と思ったらその日に「先生、当たりましたよ!」と営業マンから電話がありました。「本当ですか?でも残念賞が届きましたよ」というと「そんなものどこかに放ってください」と言われ、次の日には本当にプロジェクターが届いていました。夢にも上る気分で早速梱包を解き、次の時間から授業で使いました。2500ルーメンでしたが発色もよく最高の使い心地でした。営業マンと出会い、「よく当たりましたね」と言ったら「私がくじを引きましたから…」と言葉を濁しました。どうも営業マン同士でくじ引きをして、ちょっと立場が強いと自分の顧客に持っていけるのではと思いました。

 このときに私は思いました。「世の中の抽選に『厳正な抽選』というのは無いんだ」と。とにかく、素晴らしいプロジェクターが手に入りました。ICTを極めるしかありません。そしてそのスタート台に立ったのです。

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