㉗研究助成を獲得

理科教育

 大学院時代の32歳のとき、初めて「研究助成」なるものをいただきました。1年生で申請し、合格し、2年生の5月には入金され、研究にとても役立ちました。テーマは「科学体験学習、自然体験学習を中心とした教材の開発及び効果についての研究」です。70万円ほど申請して61万円をいただきました。銀行に入っているのでいつでも引き出せます最終的には会計処理をして2月に提出します。国内の旅費にも使えるので学会に行くにも活用できました。次の年もそのまとめをするということで同じ題で35万円。すでに現場に戻っていましたが、まとめの冊子を作るのに活用しました。合計96万円は今でも最高額です。現場に戻る前に科研費にも申請しました。「自然体験、科学体験のデータベース化及び理科教育に生かすカリキュラムの作成」。これも23万円が通りました。現場に戻って58万円はとても助かりました。

 その後中学校3年、小学校8年さすがに研究助成はもうここまで…と思っていました。ところが通常なら科学的なプロパーな内容は研究できないのですが、笹川科学研究助成に「実践研究」が追加され、50万円までですが、現役教員が研究を行うにはちょうど良いくくりなのでこれに申請しました。科学的な内容でなくてもICTでも可能です。すでに情報教育の分野でもいろいろ研究していたので「誰にもすぐに使える教室でのICT活用方法の研究」で27万円の助成を受けました。

 プロジェクターも(「夢のプロジェクターキャンペーン」で入手)、マグネットスクリーンも(eスクールの協賛企業から謹呈)あるので、電子黒板、書画カメラなど情報教育研究者・実践者垂涎の的である物品も問題なく入手できました。

 ちょうどデジタル教科書が出たころだったので「自作簡易デジタル教科書を用いたプレゼンテーション授業の考案と研究」の研究を。その後iPadが出てすぐに購入。それを用いた研究として「マルチタッチスクリーンタブレットを用いた机間巡視型電子黒板システムの開発と研究」を申請し、通りました。

 さらに、パナソニック教育財団で「液晶タブレットを用いた児童卓上板書システムの考案と実践」「タブレットパソコンを用いたペアトークによる算数協働学習の研究」「位置情報活用による校内・校区内教材化の研究及び「動く理科だより」の研究〜AR動画アプリ「マチアルキ」を用いて〜」の3つが合格。

 そして「ちゅうでん教育研究助成」で「液晶タブレットを用いた卓上板書システムの実践」「目視と投影を用いた理科教育のメディア活用」「主体的協働的学修により児童が創り上げる理科授業研究」「iPadで活用できるVR動画を用いた理科教材開発」「休校で活用できるブログ、動画、オンライン授業の研究」「リモートで行う安心で意欲的な町探検及び児童会行事」と合計6回合格。

 さらに笹川科学研究助成で「液晶タブレットによる児童生徒卓上板書システムとダブル投影によるシームレス授業の研究」で2年連続合格をいただき、2019年には「障害をもつ人たちのための科学体験活動」でも合格。奨励賞までいただきました。

 「ICT夢コンテスト」では「液晶タブレットを用いた児童卓上板書システム」「学級だよりの写真が動く?!学校と家庭をつなぐ日刊動画新聞」「休校中に毎日活用!ブログ貼り付けによる学習動画超簡単配信」「AR から QR、無料で簡単設定、全学年に広がった動く学級便り「新・日刊動画新聞」」「対面と同じ準備でできる超簡単ハイフレックス授業の研究と実践」研究助成ではなくコンクールですが、ここでも6本を合格させていただきました。

 実はこうやって書くまで、自分がどれだけ研究助成をいただいたのかまとめきれていないのが実際でした。もうすでにデータベースにない研究もあります。とは言え、このように自分自身にお金もなく、頼るところもなかった者がこのような財団等の方々による助成活動のおかげで何とか研究者として毎年のように発表できたのは本当にありがたく嬉しいことでした。研究を続けるために家計に迷惑をかけてはいけない…という思いが強かったので、本当に助かりました。もちろん研究はしっかり行い、その後に現場や広報活動を通して還元させてもらっていると自負しています。

 このように研究で自分を苦しめるのでは無く、期限までにまとめるという尻をひっぱたかれながら自分でタイムスケジュールを組んでまい進するという形は「させられている研究」ではなく、自らが望んで行う研究であるため最初からやる気が違います。このことが「もっと教員を楽しむ」原動力になったのでは…と今になって思います。

 ただ、同じことをさらに時間がある今から行うというのはさすがにちょっと無理があります。授業をいっぱい持ちながらどう改善して、楽に楽しく、時短しながら行いたい…そんな欲求が自分を支えてくれたのだと思っています。だから余裕があるときには行えないのでしょうね。そして今はかなりそういったいろいろな方の研究により(少しは貢献していると思っていますが)、これら研究費で賄えた多くの物たちは備品で備わっています。つまり、研究費で買わなければならないものは無くなってきているのが現状です。だからと言って今の先生方がとても恵まれるとは思っていません。無かったからこそ必要だからこそ研究し、自分のものとしてとらえ、上手くいくように最善を尽くす意識が全然違ったのだとは思います。

 そう言いながら環境の整った理科室で時短も余裕も感じながら日々の授業を今、行っているのです。

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