初任者で就いた学校で何と14年も勤めました。今ではまず無いでしょうね。「初任3年」などとよく言われます。染みついた14年分の中学校カラーをまずは変えたいと思いました。初めての小学校勤務です。大学は小学校教員養成課程なのでここが自分の住まうところだという気持ちで4月1日、辞令交付式に臨みました。勤務していた中学校から車で10分くらいのところにある小学校です。家からは15分程度。いいくらいの距離です。まだ新築で3年くらいしか経っていません。完全なオープン教室で壁がなく、廊下が倍くらい広いのです。とにかく教室や職員室、学校そのものがきれいなのがいいです。学年は5年生担任、30人の子どもたちがかわいくてなりません。
一番良かったのはこの5年生を前の年に担任し、次の年には6年生を担任する教員がいたことです。S先生とします。S先生は私よりも歳は2つ下ですが、近隣の学校だったので私のことをよく知っていてくれました。「教材準備しよう」「テストを注文しよう」「諸費の集金はこんな感じで」と私が戸惑っていることを予め察知してどんどん先に教えてくれます。5年生担任と6年生担任はほとんど相棒のようなもので、単学級なのでチームを組むことも多くありました。S先生がいてくれたからこそ、今の自分が小学校教員で何とかやっていけているんだ…そんな気持ちは強くあります。よく話し、ダジャレもいい、酒も飲み、下ネタもしょっちゅう言い合っていました。同時にS先生は管理職に対してかなり強く出ることもあって、その対応もしっかり学ばせてもらいました。
「学校には魔物が住まう」などと聞いたことがあります。まあ学校社会の常識は世の中の非常識なんてのはいつの時代でも言われていました。中学校は男社会で問題生徒に対峙するのも暴力行為に対応するのもやはり男性教員が多いです。部活動もあるので女性教員も男性っぽくなるのでしょうか。それに対して小学校は女性教員の方が多く、学校全体が女性教員を中心に回っているという感じもあります。女性特有の細やかさが求められる職場でもあります。「魔物が住まう」ではなく、「女帝が住まう」もよく聞きます。私が中学校でかなり管理教育を厳しくしてきたことは近隣の小学校では有名だそうで、「今度こいつが来たらビシッと言ってやる」そう息巻く女性教員もおられたということでした(私は知りませんでしたが)。
ですから私が発言する一言一言が気に入らない女性教員でそれもかなりお強い立場の方がおられたようです(後で気づきました。それが女帝でした)。何度も言い返され、主張は通らず、陰でいろいろ言われていたのでしょう。S先生がとりなしてもくれましたが、最終的には酒を酌み交わし、「あんたみたいなのがおらんといかん」と大変持ち上げてもくれました。女帝に認められて一人前なのだと意識した瞬間でした。
部活動も生徒指導もなく、穏やかに過ごせましたが、何せ、授業が大変でした。丸々5年間しっかりと授業も学級経営もしていないのです。必死で教科書を読み、課題を見つけ、ワークシートを作る毎日。それでも中学校勤務の時より確実に早く帰れ、娘と少し前に生まれた息子の相手ができて幸せな日々でした。そんな初めての小学校勤務校も2年で異動。次はとても小さく家から近い学校です。


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