何とか2つめの投稿ができそうです。小学校教員養成課程4年でもちろん採用試験を受けます。3年生のとき、たまたま実家に帰って読んだその県の地方紙に「○○県、○年度の小学校教員採用ゼロか…」と記事が大きく出ていたのです。小学校教員になろうと大学を受けたのに「ゼロ」では困る。どうしようと途方に暮れました。
3年生で少し取りかけていた中学校理科の免許ですが、この際に1級(今の1種)にしようと後期は単位を爆取りしました。そして願書は中学校理科で出して中学を受けます。他県の大学に行っていたので自分の県のしかも中学を受ける友人はゼロ。最終的に小学校は100人程度の採用をすることになったらしいのですが、すでに受験モードは中学校理科なので目もくれませんでした。採用予定は30人程度でした。理科がよく分かっていたのは中3までで、高校に入ったら物理・化学に全く興味をもてず、完全な文系として私立はすべて法学部・経済学部を受験した身で、そこから中学校の物化生地を網羅するにはかなりの無理がありました。一応、一部は高校理科と同じ問題でもありますし。協同教育出版の通信教育を受けながら受験の日を迎えました。
筆記はまあまあでしょうか。意外と物理が分かった気がしました。エレベーターの中の体重計の問題でした。生物地学はほぼできたようです。化学は何とか覚えていたところが出ていたのでクリアできそうです。
次に実技に向かいました。実験です。2つの実験があるということでこれは身構えました。大学では「理科教育」研究室でそんなに実験してこなかったからです。でも担当教授の専門がキク科植物の雑種変遷だったので毎日根端細胞を酢酸オルセインで染色し中期染色体の大小とその数を数えていました。できる実験はそのくらいです。
実際に実験室に行くと、「タマネギの根端細胞を染めて中期染色体を顕微鏡下に出してください」という命題でした。これは驚きました。材料がキク科植物がタマネギに代わっただけでやり方は全く同じなのです。根端を湯で温め、酢酸オルセインを垂らします。皆は必死でその染まった根端を柄つき針でつつき、根端を広げます。これだと染まりきっておらず、染色体は見えないのです。私はいつも20分染色時間をとって待つのですが、実験時間そのものが20分なので15分待つことにしました。温めた根端細胞に酢酸オルセインを浸けてシャーレをかぶせ、そのまま腕を組んで待ちます。必死で中期の細胞を探す他の受験者はまだ何も見つけられません。あまりに何もせずに待っているので、試験官が「どうしたの?早くしないと」と声をかけてきました。
「まだ染まっていないので待っています」そう答え、また腕組みをして待ちます。「あー何も出ん!」そう言いながら顕微鏡をのぞく他の受験者の声がします。そりゃそうです。染まるのに時間がかかるのですから。15分経ってすぐにカバーガラスをかけ、柄つき針で一発突いて、ろ紙でオルセインを抜き、すぐに顕微鏡観察します。300倍では見えないので150倍で見て、中期細胞分裂の様子を見つけ、センターに持ってきて試験官に見てもらいました。「おー確かにあるな」その一言を得て実験室を後にしました。
もう一つの実験は希塩酸と亜鉛で水素を発生させる実験です。これはもう大丈夫。多分差はつかなかったでしょう。集団面接と模擬授業も何とかクリア。まさかの卒論実験が出て、アドレナリン全開で試験を終え、10月には内定合格をいただきました。問題はこれから。つまり、文系出身者の理科教師がどうやって授業を作っていくのかということです。不安しか無かったですが、残りの大学生活を充実させる方を優先させてしまいました(当然ですね)。


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