教室の日々

教室に入る前に、必ずしていること

教室の扉を開ける前に、私はほんの少しだけ立ち止まります。特別なことをするわけではありません。誰かに見せるための準備でもありません。けれど、この小さな時間が、その日の教室の空気を左右しているように感じています。黒板に一言、書いておく朝、教室に入る前に、黒板の端に短い一言を書きます。「おはようございます」「今日は少し冷えますね」「昨日の続きを楽しみにしています」内容はごく簡単なものです。けれど、子どもたちが教室に入ってきたとき、最初に目にする言葉があることは、思っている以上に意味があるように思います。それは授業の指示ではなく、その日のはじまりの合図のようなものです。机の上を整える次にするのは、自分...
教室の日々

叱る前に、三秒だけ立ち止まる理由

教室にいると、思わず言葉が先に出そうになる場面があります。授業中の私語。繰り返される注意。こちらの気持ちが追いつかない瞬間。以前の私は、そのまま感情に任せて言葉を投げてしまうことがありました。けれど今は、叱る前に、三秒だけ立ち止まるようにしています。その子の背景を想像する三秒立ち止まる理由の一つは、その子の背景を想像するためです。朝、何かあったのかもしれない。気持ちが落ち着かない理由が、教室の外にあるのかもしれない。もちろん、ルールを守らなくていいわけではありません。ただ、理由を想像する余白を持つことで、言葉の選び方は自然と変わってきます。感情で言葉を出さないために叱る必要がある場面ほど、教員...
授業と学び

教室が少しざわつく日に、私が見直していること

教室がいつもより少しざわつく日があります。大きなトラブルがあるわけではないけれど、声をかけても反応が鈍く、空気が落ち着かない。そんなとき、以前の私は「今日は子どもたちの集中力がないな」と考えていました。けれど、経験を重ねるうちに、まず見直すべきものがあると感じるようになりました。急いでいるのは、自分ではないか教室がざわつく日を振り返ると、自分が時間に追われていることが少なくありません。次の予定を気にしていたり、授業を予定通り進めようと焦っていたり。そういう気持ちは、言葉にしなくても、声の調子や動きに表れます。子どもたちは、その変化にとても敏感です。板書や説明が整理されているかもう一つ見直すのは...
教師として考えること

初任の頃、子どもよりも自分に戸惑っていた話

教員になったばかりの頃、私は「子どもが言うことを聞いてくれない」ということに、強い戸惑いを感じていました。授業中にざわつく教室。何度注意しても、思うように静かにならない時間。そのたびに、「自分の指導力が足りないのではないか」と考えていました。今振り返ると、戸惑っていたのは子どもたちではなく、教員としての自分自身だったのだと思います。「きちんとさせなければ」と思いすぎていた初任の頃は、「教室は静かであるべき」「指示は一度で通るべき」そんな理想像を強く持っていました。そのため、少しでも教室が落ち着かないと、必要以上に声を強めてしまったり、早く授業を進めようと焦ってしまったりすることがありました。け...